電子スウォームパラメータの計算
  (Calculation of electron swarm parameters)

流体モデルをベースにするプラズマシミュレーションでは,電子に関する輸送係数や反応レートを,零次元の電子スウォーム解析(本 web では,「スオーム」の代わりに「スウォーム」を使わせて頂きます)から求め,それらの値を用いて二次元・三次元のプラズマ解析を行うことがあります.

これらのパラメータを用いる利点は,CFD-ACE+ のようなプラズマ解析が可能なソフトウェアと組み合わせることにより,標準オプションでは収束解を求めることが難しい領域に適用したり,収束解が得られる場合でも,定量的により妥当な解を与えることが可能となる点です.

解析には,電子衝突断面積( cross section )のデータを用います.具体的には,弾性衝突( momentum transfer )の他,代表的な励起( excitation )やイオン化( ionization )・解離( dissociation )・電子付着( electron attachment )等の非弾性散乱に関するデータを準備します.これらの断面積データを用い,電子スウォーム解析を行うことで,どのような結果が得られるかを,以下にご紹介致します.

アルゴンプラズマの電子スウォームパラメータ ( April 22 2009 )

シランプラズマの電子スウォームパラメータ ( Jan. 15 2009 更新)

アルゴン・シラン混合( SiH4 0.5% )プラズマの電子スウォームパラメータ ( Mar. 2 2009 )

今後,ガス種を増やし,半導体プロセスで用いる混合ガスに関しても,計算例を増やす予定です( web での紹介は控えさせて頂きます).ご興味のある方は,お問い合わせ下さい.

プラズマの場合,弾性衝突だけを考えた場合でも,一般の中性粒子同士の衝突と異なり,実効的な衝突断面積が電子のエネルギーに依存することを考慮する必要があります.電子の波動性の一面として,希ガスに対するラムザウア効果( 外部サイト:Ramsauer-Townsend effect )がよく知られています.原子・分子の大きさが電子の波長(ド・ブロイ波長)と同程度となる 1[eV] 前後では,相互作用が弱くなるために,電子に対する衝突断面積が非常に小さくなります.

ド・ブロイ波長を式とグラフで確認してみましょう.

V=150[V] で1[Å],V=6[V]で5[Å]程度となります.Ar 及び SiH4 の特性直径は,それぞれ 3.5[Å]及び 4.0[Å]程度ですから,プロセスプラズマで典型的な電子エネルギーから計算される波長とさほど違わらず,その影響は無視できないことが分かります.

back to home > support


© 2008- ATHENASYS Co., Ltd. All Rights Reserved.