シランプラズマの電子スウォームパラメータ
  (Electron swarm parameters of pure SiH4 plasma)

SiH4 の断面積データ( NIFS )を利用し,電子スウォームパラメータを計算してみた例をご紹介致します.用いた断面積は,以下のようなセットです.

cross section (断面積データ)

(note:2008年12月に載せた以下の結果は,dissociation attachment に関する断面積を大きく見積もり過ぎていたと思われ,計算をし直しました)

計算条件として,圧力:1 [Torr],温度:300 [K] を仮定しています.

計算結果の横軸の E/N [Td] は,換算電界を意味します.また,横軸に換算電界をとったグラフは,縦横ともに対数をとっており,Log-Log プロットで示しています.

●ドリフト速度( Drift Velocity )

drift velocity (駆動速度)

20[Td] 近傍にピークを持ちます.この傾向は,NIFS(核融合科学研究所)で紹介されている結果をよく再現しています.

●拡散係数( Diffusion Coefficient )

Diffusion coefficient (拡散係数)

DL 及び DT は,それぞれ縦拡散係数・横拡散係数を意味します.

●移動度( Mobility )

mobility (移動度)

●電子の平均エネルギー( Electron mean energy )

electron mean energy (電子の平均エネルギー)

電子温度は,平均電子エネルギーで示しています.

●衝突周波数( Electron Collision Frequency )

collision frequency (衝突周波数)

上のグラグでは,全衝突周波数を縦軸にとっていますが,全衝突周波数に対する momentum transfer(弾性衝突)の衝突周波数の割合をとってみたものが,以下のグラフになります.

collision frequency for momentum transfer to total collision frequency (弾性衝突に対する衝突周波数と全衝突周波数の比)

(縦軸をリニアスケールで示しています)

縦軸が1.0となるのは,非弾性衝突が生じていないにことに相当します.
数 Td では,分子励起に関する大きな断面積が弾性衝突に対する周波数を下げています.また,10 Td 以上で電離の影響も現れます.
ドリフト速度や衝突周波数,電子の平均エネルギー等が E/N に対して線形にならないのは,様々な断面積と深く関わっていることが見てとれます.

●反応レート( Rate Constant )

reaction rate (反応レート)

今回の計算で用いた各断面積データに対する反応レートを示したものです.vib. ex は,振動励起を意味します.

●電子エネルギー分布( Electron Energy Distribution )

electron energy distribution (電子のエネルギー分布)

グラフ化に際しては,個別のデータを全て載せる代わりに,移動平均をとった線として表示しています.

50[Td]より左側にある各線は,左から,1[Td],2[Td],5[Td],10[Td],20[Td],及び 30[Td] の結果を示したものです.

さて,エネルギー分布関数をエネルギーの平方根で割り,自然対数を底として対数をとると,右下がりのグラフとなります.以下は,計算結果で得られた100 Td の分布と,mathematica で比較してみた Maxwell分布(下の青線),及び,ドリュベステン(Druyvesteyn)分布(下の赤線)の例です.

mathematica で分布を比較した様子

上に凸になる傾向は,Druyvesteyn分布に近いようですが,いずれにしても Maxwell分布から外れている様子が分かります.

< posted up : Dec. 17 2008 >
< some data updated with cross section data : Jan. 15 2009 >

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