エアロゾル粒子の輸送現象に基づいた新型コロナウイルス感染者数の変動予測

都道府県ごとの新規感染者数変動

2021年1月22日現在,新型コロナウイルス(COVID-19)の新規感染者数は,関東を始め,東海・西日本の多くの都道府県で増加しています。弊社では,エアロゾルの輸送現象をシミュレーションした結果に加え,呼気中のエアロゾルが蒸発することによる粒径と数の変化,および,浮力の効果によって冬場にエアロゾルが短時間に拡散すること,を加味し,気象庁が発表している蒸気圧のデータを元に市中感染による感染拡大の予測を試みています。これまでのところ,東京を始め,複数の都市でその傾向を予測できています。以下,都道府県毎に考察した結果を説明致します。

(注)縦のやや太い赤い線は,水蒸気のデータの日付で,緊急事態宣言が出された日に相当します。今後,公表される数値は,予測値よりも低めになることが期待されます。

東京都(update : 2021年1月22日)

東京都における新規感染者数の変動予測

東京都では,2021年1月中旬に移動平均が一度極小を迎え,その後増加に転じています。一部,検討し直した結果,2000人を超える数字は,年末年始の PCR 検査数が少なく,年始にまとめて検査を行った結果が反映された結果と考えられます。そのため,蒸気圧データから予測した移動平均のピークよりも,公表されているピークは1週間近く後ろにシフトした,と判断しました。

広島県

広島県における新規感染者数の変動予測

広島県では,ここしばらく減少傾向が続いていますが,蒸気圧のデータに天候の要因を加味すると,減少傾向を把握できることが分かりました。広島では,関東と違って年末年始に雨や雪など天候が悪い日が多く,そのために外出する人が普段よりも少なかったことが原因と考えられます。

その他の都道府県についても,順次検討・紹介したいと思います。

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